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こんばんわ。管理人のuncleゆーさん(@UncleYusan)です。
昨日9月22日、日本政府が新型コロナウイルスの水際対策に関して、ワクチンの接種者を対象に緩和することを、朝日新聞や日経新聞が伝えました。
変異ウイルスの流行国からの入国で必要な、検疫所が確保した施設での3日間の待機措置を免除するとのことです。
このニュースは、「水際対策の緩和」という点に注目されていますが、実は、日本政府が「ワクチンパスポートの積極活用に踏み出す」という意味でも注目すべきものです。
今回の記事では、このことについて解説します。
日本や海外のワクチンパスポートの現状については、こちらの記事のご覧ください。
報道内容
朝日新聞の報道要旨は、次のとおりです。
- 厚生労働省は22日、新型コロナウイルスのワクチンを接種した人を対象に水際対策を緩和する方針を決めた。
- 変異株が流行している国から入国した人に宿泊施設で3日間待機を求めているが、接種を証明すれば免除する。
- 事実上すべての国からの入国者が10日間の自宅待機だけになる。
- 国内で承認されたファイザー、モデルナ、アストラゼネカのワクチンを想定しており、自宅待機後、検査を受けて陰性なら活動できる。
- 来週にも始める。
日経新聞の報道要旨は、次のとおりです。
- 政府は新型コロナウイルスの水際対策に関して、ワクチンの接種者を対象に緩和する。
- 変異ウイルスの流行国からの入国で必要な、検疫所が確保した施設での3日間の待機措置を免除する方針。
- 英国やインドなど45カ国・地域が対象になる。
- 10月にも適用する見通し。
- 米ファイザー、米モデルナ、英アストラゼネカのワクチンの接種者が対象になる。
- 全入国者に課す自宅などでの待機も接種者は14日から10日間に短縮する。
報道内容を整理すると、次のとおりです。
「ワクチン接種者」
- 自主隔離:14日間から10日間短縮 10日目に検査が必要(朝日)?
- 変異株指定国:ホテルでの強制隔離(指定宿泊施設での隔離)を免除
- 許可するワクチン:日本政府が承認済みのもの
- 承認するワクチンパスポート:言及なし
「ワクチン未接種者」
- 自主隔離:14日間
- 変異株指定国:14日間のうち3日間は強制隔離(指定宿泊施設での隔離)
自主隔離期間は世界的に短縮傾向にあり、10日間というのは、欧米等の多くの国で採用されており、日本もその緩和の流れに乗って行こうとするものです。
朝日新聞が「10日目に検査」が条件になると報道していますが、この点は、緩和の流れに逆行するものです。
自主隔離後の検査の実施方法や費用の負担をどうするのかといった問題もあり、新たにこうした条件を本当につけるのかは疑問です。
厚生労働省からの正式発表があった際、確認しておくべき重要な点と言えます。
「ワクチン接種」の確認方法をどうするのかについて、今回の報道では「言及」がありません。
現在、日本への入国の際に必要なPCR陰性証明書のように、「所定の様式に必要事項を記載したものを紙で提出しないといけないのか」、それとも諸外国で行われている「デジタルデバイスを使ったワクチンパスポートの提示だけでよいのか」が定かではありません。
たとえば、EU各国では、接種履歴などを証明する「デジタルCOVID証明書」のQRコードを提示するだけでOKです。
この点も厚生労働省からの正式発表の際、確認しておくべき重要な点と言えます。
EUの渡航については、こちらの記事をご覧ください。
開始時期については、朝日新聞は「来週にもはじめる」と記載していますが、恐らく緊急事態宣言が解除される、10月1日以降でなるものと思います。
日本政府がワクチンパスポートの積極活用に踏み出す
冒頭に記載したとおり、今回のニュースは、日本政府自身が「ワクチンパスポートの積極活用に踏み出す」という意味で注目すべきものです。
今月9日に、政府の「新型コロナウイルス感染症対策本部」が「新型コロナワクチン接種証明の利用に関する基本的考え方について」を発表しました。
この中で、
- ワクチン接種を受けるかどうかは個人の任意であることなどからワクチン接種の有無又は接種証明の提示の有無による不当な差別的取扱いは許されません。
- 公共的なサービス等においては、国民を公平・平等に、幅広く対象とする場合が多いことから、接種証明の提示の有無によって取り扱いを区別することには、より一層の慎重さが求められます。
と明記しています。
今回、厚生労働省が行う「ワクチン接種者」に対する「水際水際対策の緩和」は、当然、日本人もその対象となるわけですから、国民を接種証明の提示の有無によって区別することに他なりません。
そういう意味で、日本政府がワクチンパスポートの積極活用に踏み出したと言えます。
今後想定されること
日本のワクチン接種証明書が利用できる国が増える
外務省のHPに、「海外渡航用の新型コロナワクチン接種証明書が使用可能な国・地域一覧」が掲載されています。
9月17日現在で、35か国で使用可能となっています。
これらの国以外に対しても、外務省は使用できるよう、現在も働きかけを行っているとのことですが、その数がなかなか増えません。
これは無理もないことだと思います。
というのも、外交交渉は、「相互主義」という原則があり、相手国に求めることは自国でも同様に行う必要があります。
いままで、外国人のワクチンパスポートの使用を認めてこなかったわけですから、相互主義の原則からして、他国が日本人のワクチン接種証明書の使用を認めるわけがありません。
日本が認めていないことを35か国も認めてくれているのは、例外的なことであり、むしろ大変ありがたいことだと思います。
今回の緩和措置で、他国のワクチンパスポートの使用を認めることになるので、今後は、日本のワクチン接種証明書の使用を認める国も大幅に増える可能性があります。
隔離免除の条件になる?
EU諸国では、ワクチンパスポートの提示を隔離隔離免除の条件としています。
米国でも11月からワクチン接種を義務化し、ワクチンパスポートの提示により隔離免除とする報道がされています。
日本でもこのことが次の焦点になります。
日本の感染者数は劇的に減少していますが、いまだ重症者数が多い状況にあります。
そうした中、仮に10月に緊急事態宣言が解除されたしても、しばらくは隔離免除にはならないはずです。
重症者数が劇的に減り、それが低位で安定するような状態、つまり医療崩壊を招く可能性がきわめて低いという状態にならない限りは、隔離免除は難しいように思います。
ワクチンパスポート国内利用の加速
ワクチンパスポートの国内利用に関しては、デジタルデバイスでの利用方法なども含めて、現在、政府が検討を行っている段階ですが、今回の件は、政府がワクチンパスポートの積極活用に舵を切ったことを示す一つの証です。
今後、これをきっかけに、ワクチンワクチンパスポートの国内利用に関しては、勢いをまして広がっていくと思われます。
すでに民間レベルでの国内利用については、広がりつつあることは、過去の記事でご紹介しましたが、さらに加速するでしょう。
また、今回、政府自身がワクチンパスポートを活用することで、民間だけではなく、慎重な姿勢がもとめられている公共サービスについてもその利用が広がっていく可能性が強まったとみます。
ワクチンパスポートの国内利用については、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
今回の記事は、いかがでしたでしょうか?
今回の件が、日本が「ワクチンパスポートの活用に踏み出す」大きなきっかけとなるという意味をご理解いただけましたでしょうか。
恐らく来週には、厚生労働省から正式な発表があると思われます。
その内容を注視したいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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