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デジタル庁 ワクチンパスポートの電子版の概要を公表!意見募集ってそのスピード感遅くない?

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この記事は、3分で読めます。

こんばんわ。管理人のuncleゆーさん(@UncleYusan)です。

9月17日にデジタル庁がワクチンパスポートの電子版の概要を公表しました。

やっと欧米諸国のようにスマホ版ができたのかと思いきや・・・・。
「概要の公表ってなに?」、「まだ完成していないの?」、「仕様の意見募集って!?」という声が聞こえています。

そこで、今回の記事では、デジタル庁が公表した内容について、解説します。

公表内容

デジタル庁がワクチンパスポートの電子版(正式には、「接種証明書の電子交付」)に関して公表した内容は、次のとおりです。

  1. スマートフォンアプリを通じて申請すると交付される
  2. 氏名(漢字、ローマ字)、国籍、旅券番号、生年月日、ワクチン名、メーカー、製造番号、接種日、発行日、証明書IDを画面上に表示でき、事業者などが読み取るQRコードが付く
  3. 取得にはマイナンバーカードが必要
  4. 渡航向けでの使用は、パスポートのMachine Readable ZoneのOCR読取が必要
  5. 予約サイト等での利用を念頭に置き、ワクチン接種情報を取得するAPIも提供予定
  6. 年内に実用化する予定
  7. 仕様について、9月末まで意見募集を行う

デジタル庁のHPには、つぎのような仕様案が掲載されています。

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飲食店や宿泊施設などは画面の目視だけでなく、QRコードの読み取りでも、接種情報を把握できるようにしているのは、欧米などの諸外国と同様の仕様のようです。

ただし、登録できる情報がワクチン接種に限られており、EUのグリーンカードのように、ワクチン接種情報に加え、PCR検査の陰性結果などの情報は含まれていません。

ローマ字氏名、国籍、旅券番号などの一部の情報については、パスポートから読み取る仕様になっています。

上記に「パスポートのMachine Readable Zone」とありますが、これは、パスポートの写真が入ったページの一番下にある、英数字や記号のことです。

これをOCRソフトで読み込むようです。

ワクチン接種の情報などは、旅行予約サイトなどでも利用できるようにAPIが提供されるそうです。

APIとは、”Application Programming Interface”の略語で、ソフトウェアの一部をWEB上に公開することによって、誰でも外部から利用できるようにする仕組みのことです。

現案では、旅行会社などの事業側が、「接種券番号」「生年月日」の情報を入力すると、「最終接種回数」「最終接種日」等の情報を返すという仕組みになっています。

「等の情報」と記載されているのが気になります。

氏名や旅券番号なども含まれるのなら個人情報の保護の観点から問題があります。

この点、範囲を明確にすべきです。

年内開始という書き方をみると、開始は12月まで待たなければならないようです。

意見募集?

ワクチンの接種開始が本格接種が5月からとなり、そのことが遅すぎるという多くの批判を政府は受けました。

ワクチンの認可が遅かったり、確保に手間取ったりしたのは、安全面の検証や供給問題などがあり、ある意味やむを得なかった面があったのではないかと思います。

しかし、ワクチンパスポートの電子化は、ワクチン開発段階から想定されていたことで、もっと前から準備できた話です。対応が遅すぎると言わざるをえません。

このことは、デジタル庁というよりも日本政府の対応の悪さと言えます。

現に、諸外国では今年の年初から準備が進み、すでに多くの国で導入されています。

これは欧米の先進国に限った話ではなく、日本よりもはるかに状況が深刻であったインドなどの途上国でも導入されています。

インドでは、ワクチン接種が1日1,000万回と急速に進んだ結果、9月現在、1日当たりの新規感染者数が2万~4万人前後と以前高い状況にありますが、首都ニューデリーがあるデリー準州においては、7月以降、新規感染者数が100人を超える日はみられないというように抑え込みに成功しています。

インドでは、ワクチン接種希望者は、今年の春に政府が用意したデジタル・プラットフォーム「Co-Win」やスマートフォン用アプリ「アローギャ・セツ」を通じて、簡単に接種予約ができ、しかも接種後にはすぐに同アプリ上で接種証明書が発行されるなど、全てがペーパレスで完結する仕組みが構築されています。

もし日本でも、ワクチン接種と同時に接種証明書が発行され、それを様々な形で利用できたのであれば、感染抑制と経済活動の両立させることができる有効な対策がもっと実施できたのではないかと思います。

ところで、これだけ諸外国に比べて後手に回っている中で、今回、デジタル庁が9月末までネット上で意見募集を行っている点についても疑問を感じます。

デジタル庁は、今回の意見募集の目的を「接種証明書(電子交付)の活用を検討されている事業者、自治体、公共機関、医療機関等の皆様を対象に、仕様に関する意見募集を実施します」としています。

電子交付は一刻も早くやるべきことがらですから、意見を聞きたい対象者が決まっているのなら、こうした意見募集という形ではなく、それぞれの団体の代表者や専門家から意見を直接聞き、それらを踏まえ、仕様は自ら決めればよいことだと思います。

そもそもすでに諸外国ではアプリが実際に使われており、大きな問題が生じているわけではありませんから、同様の仕様にしておけば大きな不都合が起こるとも思えません。

政策立案にあたって、行政が国民に広く意見を聞くという姿勢は重要だと思いますが、それも時と場合があるはずです。

今回、デジタル庁が意見募集を記者発表したことで、共同通信が全世界にこのことを配信しました。

世界の人々がこのニュースを聞いたら、「???」、「今頃日本はなにやってるの?」というふうになるのではないでしょうか。

今回の意見募集は、日本政府の対応力の遅さ、決断力のなさを世界に改めて知らしめたというマイナス面のほうが大きかったのではないかと懸念されます。

まとめ

今回の記事は、いかがでしたでしょうか?

今回の件は、ワクチンパスポートのことだけにとどまらず、日本の様々な課題への対応力遅さ、決断力のなさを象徴しているように思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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