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こんばんわ。管理人のuncleゆーさん(@UncleYusan)です。
私は、外国株の取引に関しては、手数料の安さ、借入金利の安さ、空売りができるなどの理由から、Interactive BrokersやFirstradeなどの米国証券会社を利用しています。
米国証券会社で取引するメリットは多いのですが、デメリットもあります。
それは、確定申告が少々面倒だという点です。
ドル建てを円建てに置き換えたり、損益計算や配当・利子収入計算を自分で行わなければなりません。
そこで、今回の記事では、Firstradeを例にあげ、どのように行うのかを紹介します。
口座の開設は、こちらの記事をご覧ください。
確定申告までの流れ
確定申告までの流れは、次のとおりになります。
- データの収集
- 損益計算
- 配当・利子収入計算
- 国税庁のHPから確定申告を行う
データー収集
まず、損益計算や配当・利子収入計算に必要なデータを集める必要があります。
必要なデータは次のとおりです。
- ドル円為替レート
- 取引履歴(Account History)
- 損益計算表(Prior Year Realized Gain/Loss)
- 納税報告書(1099フォーム)
ドル円為替レート
ドル円為替レートについては、厳密にはTTSとTTBを使い分け、計算するのがより実態を表した計算となりますが、TTMで買付額も売却額について計算してよいことになっているので、計算を単純化するため、TTMを使うことにします。
データは、様々なサイトが提供していますが、日本のサイトではなく、米国のサイトからデータを使用する必要があります。
なぜなら、米国と日本とでは、祝日の違いから該当日のデータがない場合があります。
これを避けるために、必ず米国のサイトのものを使用しましょう。
私は、”Investing.com”のCSVデータを使用しています。
なお、日付が文字として認識されているようで、これを表計算ソフトに認識させるためデータを置き換える必要があります。
私は、LibreOffice Calcを使用していますが、その場合、以下のとおり入力します。
また、「昇順」にしておかないと、日付をうまく読み込みませんので、「データ」の「オートフィル」を使って順番を並び替えておきましょう。
(2024年2月13日追記)
取引履歴(Account History)
取引履歴については、Firstradeのアカウントにログインし、CSVデータをダウンロードします。
次のような順番で画面を進んでいくと、データにたどり着くことができます。
① Account>② History>③ Download Account History
④ Start Date(開始日)と⑤ End Date(終了日)を入力し、⑥ 「DOWNLOAD」をクリックします。
すると、CSV形式のデータがダウンロードされます。
損益計算表(Prior Year Realized Gain/Loss)
損益計算表についても、Firstradeのアカウントにログインし、CSVデータをダウンロードします。
次のような順番で画面を進んでいくと、データにたどり着くことができます。
① Account>② Gain/Loss>Prior Year Realized Gain/Loss>③ Download CSV
③「Dounload CSV」をクリックすると、CSV形式のデータをダウンロードできます。
配当・利子収入計算
入手した取引履歴のデータをもとに、配当・利子収入を計算します。
取引履歴については、源泉徴収後の金額のみ明記されています。
したがって、配当・利子収入発生日の為替レートでドルを円に置き換え、合計するだけです。
計算の手順は、次のとおりです。
表計算にダウンロードした「為替レートデータ」と「取引履歴」を取り込みます。
VLOOKUP関数を使って、取引履歴の日付を参照させ、為替レートを抽出し、円建て数値を置き換えていきます。
SUMIF関数を使って、利子収入に分けて、それぞれを合計します。
なお、源泉徴収金額に関しては、毎月1回発行されるステートメントで確認します。
Accounts > E-Documents > Statementsと進めば、PDF形式でダウンロードできます。
”INCOME AND EXPENSE SUMMARY”の”Non-resident tax paid”の欄に記載された金額が非居住者の源泉徴収額です
損益計算
損益に関するデータは”Prior Year Realized Gain/Loss”からダウンロードしたものを使用します。
配当・利子収入計算と同様、関数を駆使して、円換算します。
なお、ダウンロードしたデータの日付が、年月日が反対(1/1/2021→2021/1/1)になっていますので、変換する必要があります。
これもValue関数とMID関数を使用することで簡単に変換ができます。
ところで、データをみると、売却時に手数料が発生していることに気づきます。
「Firstradeは売買手数料無料じゃないの?」と驚かれたかもしれません。
実はこれ、Firstradeの手数料ではなく、米国証券取引委員会(SEC)の手数料です。
SECの手数料を、FirstradeがSECの代わりに顧客から徴収しているのです。
この手数料の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
国税庁のサイトから確定申告を行う
上記の計算ができたら、国税庁のサイトにアクセスし、「確定申告書作成コーナー」でサ確定申告書を作成します。
やり方については、日を改めて紹介したいと思います。
注意点
注意点として、次の点をあげておきます。
- 事前準備を早めにしておく
- 英語の表記に注意を
事前準備を早めにしておく
米国の確定申告の時期が、日本よりも1カ月遅いため、証券会社からの関係書類の発行も1カ月ほど遅くなり、2月以降になります。
そのため、事前に準備を進めておくことをおすすめします。
国税庁のサイトで作成した確定申告書は、一旦保存することが出来ます。
とりあえず、配当金・利子収入計算や損益計算ができれば、先に入力作業を済ませておくのがよいと思います。
関係書類等が発行されれば、それらを添付し、提出(送信)しましょう。
特に、初めての方は、計算の準備や確定申告書の作成に手間取る可能性があります。
くれぐれも早めの準備を!
英語の表記に注意を
Firstradeが発行する税務関連の一連の書類は、当然すべて英語表記です。
それぞれがどういう意味なのかよく理解しておきましょう。
参考までに、いくつかのアイテムについて、日本語の表記を記載しておきます。
- Dividend(配当金)
- bond interest(債券利息)
- Credit interest(付与利息)
- Non-resident tax paid(課税された非居住者に対する税)
- Foreign tax paid(課税された外国税)
- Substitute payment(貸株金利)
取引明細書の見方については、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
今回の記事は、いかがでしたでしょうか?
表計算ソフトの関数をうまく使えば、かなり計算作業は省力化されます。
一回やってみれば、次回からはかなり時間が省けます。
まずは、早めの準備をおススメします。
米国証券会社と国内証券会社との確定申告に関する違いについては、こちらの記事をご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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