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サクソバンク証券「法令違反!日本国内で取扱うことができないARK社のETFなどを提供」

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この記事は、4分で読めます。

こんばんわ。管理人のuncleゆーさん(@UncleYusan)です。

先週月曜日(11月15日)にサクソバンク証券が、日本国内で取扱うことができない外国ETFなどを提供していたという法令違反を行っていたことを発表しました。

今回の記事では、このことについて詳しく解説します。

サクソバンク証券の概要を知りたければ、こちらの記事をご覧ください。

www.ysky.info

 

 

サクソバンク証券の発表内容

サクソバンク証券が発表した内容は、次のとおりです。

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この度、当社がご提供しているETF/ETN(現物とオプション)の銘柄に、本来であれば法令上、国内ではご提供できない銘柄が含まれていることが判明しました。つきましては法令順守のため、本日11月15日より、当該銘柄における現物、オプション取引の新規買付け注文の受付を制限させていただきます。当該銘柄においては本日より新規買付けが出来なくなります。

当該銘柄の買付けをご検討されていたお客様には、多大なご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます。

なお現在すでに保有されている建玉の売却は、引き続き可能となっております。」

該当する銘柄は、次の表のとおりです。f:id:YSky_channel:20211120170238j:plain

この中には、ARKK、TQQ、JETS、KWEBなど、インフルエンサーたちがYoutubeやブログでよく取り上げている銘柄も含まれまています。

特に、ARKKは、直近1年間で+250%、5年間で+585%と、高い基準価格の上昇率を保っており、多くの投資家から注目されています。

けれども、SBI証券や楽天証券など国内の証券会社では、取引できない銘柄です。

そもそも海外のETFを日本国内の証券会社で取引できるようにするためには、そのETFを組成する会社が、日本の金融庁に「外国投資信託に関する届出」を提出し、受理してもらわないといけません。

例えば、ARKKなら、組成会社であるARK社が金融庁に届出を行うということです。

こうした米国企業にとって、日本語で届出書類を作成し、金融庁に提出し、受理をしてもらうことはそれなりのコストや手間がかかる話なので、見合うだけのものがないとアクションを起こしません。

また、例え届出をしても、届出の内容が適正なものでなければ、金融庁に受理してもらえません。

今回の該当銘柄が国内で取引できない事情についてサクソバンク証券側から説明がありませんので、実態はわかりませんが、以上説明したとおり、そもそも届出をしていないのか、届出をしても受理してもらえないのかどちらかのケースだと考えられます。

以前から不思議に思っていた

以前からサクソバンク証券だけがARKKを取引できることに疑問に思っておりました。

「サクソバンク証券は、外国の証券会社だから」と思っていた方も多いかもしれませんが、これは正しくありません。

確かに、サクソバンク証券は、デンマーク金融監督庁の認可を受けコペンハーゲンに設立されたグローバルオンライン銀行であるサクソバンク(Saxo Bank A/S)の100%子会社の証券会社です。

そういう意味では、外資系の証券会社ではあります。

しかし、このサクソバンク証券は、日本で金融庁の認可を受け、SBI証券などと同様、「第一種金融商品取引業者」として登録を受け、営業活動を行っています。

つまり、サクソバンク証券は、外資系企業ではありますが、日本の国内法令の適用を受ける日本法人なのです。

したがって、SBI証券など他の国内証券会社が提供できない金融商品は、サクソバンク証券も提供できません。

それなら、どうしてサクソバンク証券と同じように、外資系企業の日本法人であるIB証券では、ARKKやTQQQなどを取引することができるのかと疑問に思われる方もいるかもしれません。

IB証券では、実は開設できる口座が2つあります。

日本法人の口座(IBSJ口座)と米国法人の口座(IBLLC口座)です。
IBLLC口座はあくまで米国法人の口座ですので、この口座での取引は、日本の国内法令の適用は受けません。

つまり、日本の金融庁の監督は受けないということです。

したがって、このIBLLCという口座なら、ARKKやTQQQなども米国法令の適用のもと取引ができるのです。

今回のサクソバンク証券の発表で、どうして国内の証券会社の中で、サクソバンク証券だけがARKKを提供できるのかというこれまの疑問は、サクソバンク証券の法令違反であったということで、その謎が解けました。

これまでのサクソバンク証券の不祥事

サクソバンク証券と言えば、2020年7月、約38,000人分のマイナンバー等を含めた個人情報の流出し、金融庁から業務改善命令が出されたことが記憶に新しいです。

サクソバンク証券が発表した「サイバー攻撃による個人情報流出の調査結果」によると漏れた情報は、次の2点でした。

  1. ユーザーID、氏名、生年月日、住所、電話番号、電子メールアドレス等の情 報が記載された電子ファイルの一部(38,026名分)
  2. 本人確認書類等の画像の一部(750名分)

このことを受け、サクソバンク証券は、次の対応を行いました。

  1. 情報流出先の外部委託していた顧客情報管理システムを遮断
  2. 2020年7月31日よりログインの「SMS(ショートメッセージサービス)による2段階認証ログイン」を順次導入

昨年の不祥事はこれだけにとどまりませんでした。

12月には、過去2年間、外国証券取引や外国株のオプション取引に伴う配当金の源泉徴収をサービス開始当初から配当金の源泉徴収をし忘れていました。

一般口座での外国証券等の取引は源泉徴収されず自分で申告が必要ですが、外国からの配当金については、証券会社が源泉徴収しなければなりません

しかし、サクソバンク証券は、それを忘れてしまっていたのです。

この時、サクソバンク証券は、該当者に対して、過去に遡って源泉徴収を行いました。

それだけでは済まず、該当者のなかでも、過去の二重課税分を取り戻すため、2018年・2019年分の配当所得を申告納税した人は、税の「更正の請求手続き」を税務署に申請しなければならなくなり、迷惑をこうむりました。

取引していた人は今後どう対応すべきか

これまでサクソバンク証券で、該当銘柄を取引していた人は、今後もこれらの銘柄を取引するには、どうすればよいのかを検討しています。

選択肢としては、次の2つが考えられます。

  1. IBやFirstradeなど、日本在住者でも口座開設できる米国証券会社に乗り換える。
  2. 引き続きサクソバンク証券で、現物ではなく、CFDで取引を行う。
  3. IG証券など他の日本法人で口座を開設し、CFDで取引を行う。

IBやFirstradeに乗り換える

IBやFirstradeなら、日本在住者でも口座を開設することができ、ARK、TQQQなどを取引することができます。

現物の購入だけではなく、空売りもすることができます。

また、これらのオプション取引も行うことができます。

IBやFirstradeについて詳しく知りたければ、こちらの記事をご覧ください。

www.ysky.info

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ただし、国内の証券会社のように、特別口座のような制度はありませんので、譲渡益や配当金などの税務申告は自分で行う必要があります。

また、損益通算など国内の税制上の優遇措置を受けることはできません。

米国証券会社で取引した場合の税制については、こちらの記事をご覧ください。

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サクソバンク証券でCFDで取引を行う

サクソバンク証券でも、CDFを使えば、ARKKなど今回現物では取引ができなくなった銘柄も取引することができます。

ただし、CFDを使うと現物とは違い、手数料が多くかかるデメリットがあります。

現物とCFDの違いについては、次の表のとおりです。

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CFDについて詳しく知りたければ、こちらの記事をご覧ください。

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IG証券で口座を開設し、CFDで取引を行う

この際、不祥事が続いている、サクソバンク証券とは縁を切り、別の証券会社に乗り換えたい。

でも、海外の証券会社はいやだ、損益通算の優遇措置は受けたいという方は、IG証券会社に口座を開設すれば、CFDでARKKなど銘柄を取引することができます。

IG証券について詳しく知りたければ、こちらの記事をご覧ください。

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まとめ

今回の記事は、いかがでしたでしょうか?

サクソバンク証券は、今年10月から、他の国内の証券会社と同様に、特定口座を開設できるようになり、口座開設者の利便性が高まりました。

そんな矢先に、このような発表が行われ、サクソバンク証券の口座開設者の多くはがっかりされたのではないかと思います。

特定口座に対応するための金融庁での手続きのなかで、発覚したことなのかもしれません。

今のところ、金融庁からは今回の件について、特にコメントは出されていないようです。

 

特定口座が開設できるようになったことは、こちらの記事をご覧ください。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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