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こんばんわ。管理人のuncleゆーさん(@UncleYusan)です。
マレーシア(半島側)の長期滞在ビザプログラム”MM2H”の大改悪を受け、その受け皿として期待されているのが、マレーシア・サラワク州の独自の長期滞在ビザプログラム ”S-MM2H”です。
そのS-MM2Hが、来月2022年9月1日から申請条件などが変更されます。
そこで、今回の記事では、S-MM2Hのプログラム改正について解説します。
MM2Hの大改悪については、こちらの記事をご覧ください。
S-MM2Hとは
東マレーシアのサラワク州が独自に発行している長期滞在ビザプログラムのことです。
以前から"S-MM2H"はあったのですが、マレーシア連邦政府の発行のものではなく、サラワク州独自のものということや、取得条件がマレーシア政府の"MM2H"と比べるとハードルが高かったので、日本ではあまり知られていませんでした。
ところが、MM2Hがコロナ禍で新規受付を2020年8月から2021年9月まで停止してしまったことで、その間も受付を行っていたS-MM2Hが注目を集めるようになりました。
さらには、2021年10月から受付を再開したMM2Hのプログラム大改悪によりその注目度はさらにアップしました。
このビザが注目される点は、サラワク州独自に発行するビザであるにもかかわらず、マレーシア国内(サバ州は除く)ならどこでも滞在できることです。
どうしてサラワク州にはこうした制度が認められているのかに関しては、こちらの記事をご覧ください。
サラワク州はどこか
サラワク州は、ボルネオ島北西部の海岸沿いに位置する州で国土の37.5%を占め、マレーシアで一番大きな州になります。
マレーシア国内において独自の自治権を有しており、州外との行き来には入境管理が行われ、マレーシア国民であっても身分証明書が必要になるエリアです。
サラワク州と、クアラルンプールがあるマレー半島は海を挟んで東西に離れているため、移動は空路の利用となります。
・クアラルンプールから:約1時間45分
・シンガポールから:約1時間30分
州都は「クチン」で、猫の街として知られ、コロニアル調やマレー風の建物が建ち並ぶ歴史溢れる街です。
これまでのS-MM2Hの申請・承認状況
S-MM2Hの申請や承認に関する情報は、過去には、ネットで検索してもほとんど見当たりませんでしたが、MM2Hの代わりとして、S-MM2Hが注目される中、現地のニュースサイトを中心に掲載されることが多くなりました。
現地ニュースサイト"BORNEO POST online"によると、サラワク州のダト スリ アブドゥル カリム ラーマン ハムザ観光・クリエイティブ産業・舞台芸術大臣は、2022年8月25日に、記者発表の場で、このプログラムが開始された2007年から2020年の間に、1,306人のプログラム参加者を受け入れたと述べました。
また、同大臣は、2020年9月1日に発効した現行の条件下において、今年までの間、合計209件の申請を承認したと述べました。
MM2Hの資格保有者とその家族は、現在、50,000人以上いると言われていますが、S-MM2Hが過去14年間で1,306人というのは、「かなり少ないな」という印象です。
これは、過去においては、MM2HよりもS-MM2Hのほうが、年間居住日数を課したり、年齢によって住宅購入や子弟の学校通学などが必須など条件が厳しかったことや連邦政府が行っているMM2Hの方が信頼性があると思われたことなどが起因していると考えられます。
2020年9月以降について、MM2Hは、8月上旬にこれまで270件ほどの申請があったとマレーシア連邦政府の担当大臣が発表しました。
その際、承認件数について発表がなかったのですが、これに先立ち行われた5月の発表では、申請のうち承認されたのは約半数でした。
このことから推測すると、同じ期間の承認件数は、おそらく100件前後ではないかと思われます。
この数字があっていれば、承認件数では、S-MM2Hのほうが、MM2Hの2倍以上ということになります。
今後も双方の条件が大枠変わらなければ、この差はさらに広がっていくでしょう。
申請条件等の変更内容
今回の主な変更内容は、次の3点です。
- 州内での年間最低滞在期間を30日とする。
- サラワク州内の銀行で定期預金口座を開設することを必須とする。
- サラワク州の承認があれば、就労や事業活動などを行うことができる。
年間最低滞在期間
州内での年間最低滞在期間は、これまで15日でしたが、倍の30日に増えます。
S-MM2Hで取得できるビザは、サラワク州だけではなく、マレー半島でも有効です。
取得希望者の中には、これを利用して、利便性の高いクアラルンプールやジョホールバルなどに実際は居住して、サラワク州には15日だけ旅行として滞在しようと考えている人も多いかもしれません。
こうした人やしばらくは日本を拠点にして居住しよう考えている人にとっては、負担が増えることになります。
定期預金口座の開設
これまで、マレーシア外での月収が一定以上あることを証明できれば、必ずしも州内の銀行で定期預金口座を開設する必要はありませんでした。
ところが、今回のプログラムの改正により、州内の銀行で定期預金口座の開設が必須となりました。
最低預金金額も指定されており、単身の場合は、RM150,000(約450万円)、夫婦の場合は、RM300,000(約900万円)となります。
この点も、貯蓄額が少ない人にとっては、取得のハードルが上がることになります。
就業や事業活動が可能に
これまでは、海外からやってくるS-MM2H居住者たちが、現地の人たちの就業や事業活動等、地元の経済に影響を与えないようにするため、これらは禁止されていました。
ところが、今回のプログラムの改正により、州政府の承認のもと、就業や事業活動等が認められることになりました。
具体的にどのような場合に承認されるかは、現状明らかではありませんが、この点は、今後申請する人にとっては、とりあえずプラス面の変更だと言えます。
2022年9月からの申請条件の概要をまとめると次の表のとおりです。
1. 収入証明の提出
単身RM7,000以上、夫婦RM10,000以上
※メインの方の収入のみ、夫婦合算不可
2. サラワク州の銀行に定期預金口座の開設
単身RM150,000以上、夫婦RM300,000以上
※医療、教育など一定の目的のためなら、40%までなら引出しが可能
3. サラワク州に年間30日以上滞在
4. サラワク州で健康保険に加入すること
1人あたりRM1500-3000(プランにより異なる)
1. 収入証明の提出
単身RM7,000以上、夫婦RM10,000以上
※メインの方の収入のみ、夫婦合算不可
2. サラワク州の銀行に定期預金口座の開設
単身RM150,000以上、夫婦RM300,000以上
3. サラワク州に年間30日以上滞在
4. サラワク州で健康保険に加入すること
1人あたりRM1500-3000(プランにより異なる)
5. ①子供がサラワク州の学校で就学中である証明と学生ビザの提示、②申請者または帯同者が長期間サラワク州で治療を受けなければならない理由と証明の提出、または、③サラワク州でRM600,000以上の物件購入の証明の提出
1. 収入証明の提出
単身RM7,000以上、夫婦RM10,000以上
※メインの方の収入のみ、夫婦合算不可
2. サラワク州の銀行に定期預金口座の開設
単身RM150,000以上、夫婦RM300,000以上
3. サラワク州に年間30日以上滞在
4. サラワク州で健康保険に加入すること
1人あたりRM1500-3000(プランにより異なる)
5. ①子供がサラワク州の学校で就学中である証明と学生ビザの提示、②申請者または帯同者が長期間サラワク州で治療を受けなければならない理由と証明の提出、または、③サラワク州でRM600,000以上の物件購入の証明の提出
その他の条件
- ビザの申請時と完了後の取得時は、本人がサラワク州まで行く必要がある。
- S-MM2Hビザは5年間発行され、5年後に1回のみ更新ができる。
- ビザ代金としてRM90/年が必要である。
- セキュリティーボンドとして1人当たりRM1,000かかる。(日本人の場合)
- サラワク州出身または在住者の保証人を立てるか、サラワク州が承認したエージェントを通じて申請を行う必要がある。
- 出身国の警察書が発行する無犯罪証明書が必要である。
まとめ
今回の記事は、いかがでしたでしょうか?
今回は、S-MM2Hが9月1日から申請条件等が変更されることについて解説しました。
今回のプログラムの改正により、年間必要滞在期間が30日になったり、現地の定期預金口座の開設が必須となったり、取得へのハードルが高くなります。
一方で、州政府の承認があれば、今後は、就労や事業活動を行うことができるといった取得希望者にとっては、魅力的な変更も行われる予定です。
日本人が申請する場合は、現地のエージェントの力を借りないとかなり難しいです。
エージェントに依頼する場合は、円安の今、30万円以上はかかるようです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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