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こんばんわ。当サイト管理人のuncleゆーさん(@UncleYusan)です。
EU(欧州連合)統計局が、2024年のヨーロッパにおける消費財とサービスの価格を国別に比較したデータ分析を発表しました。
この記事では、2024年のヨーロッパ36か国における物価水準を紹介し、2023年版との変化もあわせて解説します。
分析方法
今回発表された分析記事のタイトルは、「Comparative price levels of consumer goods and services」です。
今回の分析は、OECD購買力平価(PPP)プログラムに参加しているヨーロッパの36 のヨーロッパ諸国で実施された、2,000 を超える消費財とサービスを対象とした価格調査に基づいています。
対象国には、27 の EU 諸国、3 つのEFTA諸国 (アイスランド、ノルウェー、スイス)、および 6 つのEU候補国(アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、北マケドニア、セルビア、トルコ)が含まれます。(英国が含まれていない点に注意)
食品、非アルコール飲料、アルコール飲料、衣類、エネルギー(ガス、電気、その他の燃料)、家具、家電製品、輸送サービス、レストラン、ホテルなどのカテゴリーに分けて分析が行われました。
分析結果は、価格水準指数(PLI)で示されています。PLIは、購買力平価(PPP)と為替レートの比率です。これらは、EUの平均に対する各国の価格レベルを表します。
価格レベルが100を超える場合、該当国はEUの平均と比較して物価が高く、100未満の場合、該当国はEU平均に比べて物価が安いということです。
- データ元:Eurostat「Comparative price levels of consumer goods and services」
- 基準:EU27の平均を100とした「価格水準指数(PLI)」
- 対象国:36カ国(EU27+EFTA諸国+候補国)
- 対象品目:約2,000種類の財・サービス
- 分類:食品、飲料、衣類、住居費、エネルギー、交通、レストラン・ホテル等
物価が高い国トップ10(2024年データ 36か国比較)
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スイス (1)ー
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アイスランド (2)ー
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ノルウェー (6)↑
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デンマーク (3)↓
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アイルランド (4)↓
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ルクセンブルク (5)↓
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フィンランド (7)ー
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オランダ (8)ー
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スウェーデン (10)↑
- ベルギー (9)↓
※( )書きは、2023年順位
- スイスはEU平均の約174%と、ヨーロッパで最も物価が高い。
- 外食・宿泊費が特に高額で、レストラン・ホテルはEU平均の約200%。
- アイスランドやノルウェーも引き続き高水準で、北欧・西欧諸国が上位を独占。
物価が安い国トップ10(2024年データ 36か国比較)
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トルコ (1) ー
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北マケドニア (2)ー
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ボスニア・ヘルツェゴビナ (3)ー
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ブルガリア (4) ー
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ルーマニア (5) ー
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モンテネグロ (6)ー
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アルバニア (8) ↓
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セルビア (9) ↑
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ポーランド (7)↓
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ハンガリー (10)-
※( )書きは、2023年順位
- トルコはEU平均の約42%と、ヨーロッパで最も安い。
- 旧ユーゴスラビア諸国(北マケドニア、ボスニア、モンテネグロ、セルビア、アルバニア)が多くランクイン。
- ただしトルコは現地通貨でのインフレが進んでおり、ユーロ換算では「安い」一方、現地国民にとっては負担増。
カテゴリ別の特徴
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レストラン・ホテル:スイスが最高(約200%)、ブルガリアとトルコが最安(50%未満)です。
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食品・ノンアル飲料:アイスランド・スイスが高水準、トルコ・ルーマニアが低水準です。
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エネルギー:ノルウェーが突出して高く、東欧は安いです。
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衣類・家電:全体的に差は小さいが、西欧諸国がやや高めです。
2023年からの変化
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スイス・アイスランド・ノルウェーの「EFTA勢」が依然としてトップ3を維持。
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デンマークはEU内最上位で全体4位に。
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東欧諸国は引き続き安いが、為替とインフレにより一部で指数が上昇。
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トルコは「最安」地位を保つが、現地生活者はインフレで実感が全く異なる。
旅行者・生活者への影響
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高コスト国(スイス・アイスランド・北欧):短期旅行でも宿泊費と外食費が大きな負担。
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低コスト国(トルコ・東欧):旅行者にとっては物価が安く感じられる一方、現地では生活費の高騰に苦しむ声も。
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中間層(フランス・イタリア・ドイツなど):EU平均前後で、安さと高額の中間。
まとめ
今回の記事は、いかがでしたでしょうか?
今回は、EU(欧州連合)統計局が先日発表した「消費財とサービスの価格を国別に比較したデータ分析」を紹介しました。
- ヨーロッパで最も物価が高い国:スイス(EU平均の174%)
- ヨーロッパで最も物価が安い国:トルコ(EU平均の42%)
北欧・西欧が「高い国」グループ、バルカン半島・東欧・トルコが「安い国」グループに大きく二分しています。
ヨーロッパでの旅行・滞在を計画する際は、宿泊費と外食費の差を特に意識する必要があります。
物価水準は為替とインフレにより大きく動くため、統計のチェックを続けていきたいところです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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