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こんばんわ。管理人のuncleゆーさん(@UncleYusan)です。
今週月曜日(2024年9月2日)、JCBと三菱UFJニコスがプライオリティ・パスの利用特典に関する「改悪」を発表した。
具体的には国内のレストラン、リフレッシュ施設、休憩施設などがりようできなくなるというものです。
これに先駆け、楽天カードが昨年11月に2025年から年5回の利用制限を行うことを発表しましたが、それに続く、プライオリティパスに関する利用制限です。
今回は、これまでのカード会社によるプライオリティパスの利用制限を整理するとともに、利用制限を行う背景や今後の動向の予測などを考えてみます。
始まりは「楽天プレミアムカード」から?
もともとアメックスカードなど一部のカードの付帯するプライオリティ・パスに関しては、食事施設が除外されていたり、年間回数制限などがありました。
しかし、最もインパクトのあったプライオリティ・パスの利用制限は、昨年11月1日に発表された「楽天プレミアムカード」に付帯する「プライオリティパス」に関するものです。
これは、これまで利用回数制限がなかったものを、2025年1月1日以降年5回までとするというものです。
今回のJCBと三菱UFJニコスから発表されたプライオリティ・パスの利用制限は、これに続くものです。
おそらく同社とも、プライオリティパスの付帯するカードとして人気が高い「楽天プレミアムカード」が利用制限をかけるなら、うちでもやろうという話になったのではないかと思われます。
は、その特典として、利用回数制限なしの プライオリティパス(プレステージ)[年会費:US$469]を無料で発行することができます。
楽天プレミアムカードの年会費は11,000円(税込)で、プライオリティパス(プレステージ)を無料で発行できるカードとしては最安値の年会費です。
そうしたこともあり、旅行によく出かける人にとっては、楽天プレミアムカードは非常に人気があります。それが来年1月から年5回までという利用制限が課せられることになります。
11月突然の発表でしたが、1年以上の猶予期間を設けたのは、これ目当てにカードを発行した多くのユーザに対して配慮がみられました。
私も楽天プレミアムカードを今年12月に発行していますが、しっかり1年間利用させてもらえるので、この配慮はありがたかったです。
楽天プレミアムカードの改悪に関する記事はこちらをご覧ください。
三菱UFJニコスの発表内容
三菱UFJニコスが発表した内容は、次のとおりです。
三菱UFJニコスでは、プラチナ会員さまにフライト前のひとときを空港ラウンジでお過ごしいただくため、プライオリティ・パスを無料でご利用いただいておりますが、昨今、空港における飲食店舗やリフレッシュ施設等でのプライオリティ・パスのご利用が大変増加しております。
それに伴い、本サービスに関連するコストが増加しており、本サービス自体のご提供を続けることができなくなるおそれがございます。
そのため、三菱UFJニコスおよびフランチャイジー各社のプラチナ会員さまがお持ちのプライオリティ・パスは、2024年10月1日より、無料でのサービスのご提供を空港ラウンジのみといたします。
飲食店舗やリフレッシュ施設等でご利用された場合、ご利用料金を負担いただく場合がございますので、あらかじめご留意ください。
何卒、ご理解賜りますようお願い申しあげます。
三菱UFJニコスの対象カードは、「三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」です。
このカードは、年会費が22,000円(税込)ですが、家族カードが無料で1枚発行できるうえに、家族会員もプライオリティパスを無料で発行できるというカードです。
コンシェルジュサービスなどの特典もあり、家族がいる人は楽天プレミアムカードではなく、こちらを選択している人も多いと思います。
このカードに付帯するプライオリティ・パスは、2024年10月1日より、無料でのサービスの提供を「空港ラウンジのみ」に限定するというのです。
なので、ぼてじゅうなどの「食事施設」やナインアワーズなどの「リフレッシュ施設」は利用対象外となります。
制限の開始時期は、来月1日からということで、楽天カードのような配慮は一切ありません。
このことを知らずに、発表前日の9月1日にカードを申し込んだ人はお気の毒としかいいようがありません。
もちろんこうした特典には改悪がつきものです。ただ、クレジットカードに関しては、特典があるからあえて無料のものではなく、それなりの年会費を支払っている面があります。
利用制限の理由として、「昨今、空港における飲食店舗やリフレッシュ施設等でのプライオリティ・パスのご利用が大変増加しております。それに伴い、本サービスに関連するコストが増加しており、本サービス自体のご提供を続けることができなくなるおそれがございます。」をあげています。
事情は理解できますし、正直に理由を記載しているのも好感を持てますが、利用制限の開始時期が早すぎます。もっと早めに発表するとかして、猶予期間を与えるべきだと思います。また、楽天のような年会費の返金措置などにも触れられていません。
こうしてみると、1年以上も猶予期間をとり、かつ年会費の返却にも応じた楽天の対応は称賛されるべきです。こうしたところに、企業としての顧客を大切にしているか否かが見え隠れします。
この点のバツの悪さは、三菱UFJニコスも重々わかっているようで、発表本文には、「飲食店舗やリフレッシュ施設等でご利用された場合、ご利用料金を負担いただく場合がございますので、あらかじめご留意ください。」とあります。
今回の発表は、あくまで抑止するための警告なのか?それとも本当に請求するのかよくわかりませんが、すべて利用料金を請求するわけではなさそうです。
もし知らずに食事施設やリフレッシュ施設を利用した場合など何らかの理由があり、それを申し出れば請求されずに済みそうです。
ところで、2024年9月5日現在、三菱UFJニコスの公式HPにある、「三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」のカードの入会申込みのページには、プライオリティパスに関して以下のような記述が残ったままになっています。
ラウンジだけじゃない。食を楽しむ。
普段はカードラウンジで搭乗までの時間をゆったり座って過ごす。お昼時であれば、ラウンジ内の食事提供のほか、プライオリティ・パス特典を活用し、空港内の対象レストランでお腹を満たすのもいいだろう。
たとえば、中部国際空港であればピザ・パスタなど、対象レストランで食事を楽しむことができる。
これはアウトですね。即刻文章を削除しておかないと、クレジットカード会社が詐欺行為を行っていると消費庁に投書が入っても仕方がありません。
三菱UFJニコスHPの該当ページはこちら
JCBの発表内容
JCBが発表した内容は、次のとおりです。
プライオリティ・パス旅行特典のご利用に関する改定について
JCBカードのザ・クラス会員、プラチナ会員、ゴールド ザ・プレミア会員の付帯サービスである、プライオリティ・パスについて、2024年10月31日(木)よりプライオリティ・パス旅行特典のご利用に関する改定を実施いたします。
(略)
2024年10月31日(木)8:00PM以降
プライオリティ・パス社が提供する国内の「ラウンジ」施設および、日本国外のすべての提携施設が利用対象
※2024年8月時点で国内の「お食事」「リフレッシュ」「休憩」等に該当する施設は利用対象となりません。
※利用対象とならない施設は、プライオリティ・パス社ウェブサイトのラウンジ情報にて「お食事」「リフレッシュ」「休憩」のカテゴリに表示される施設を指します。詳細はhttps://www.prioritypass.com/ja/をご覧ください。
文中に「JCBカードのザ・クラス会員、プラチナ会員、ゴールド ザ・プレミア会員とありますが、対象カードは、ザ・クラス、ゴールド ザ・プレミア、JCBプラチナをはじめとする、JCBが発行するプラチナクラスのカードがすべて対象になるようです。
したがって、JCBプラチナはもちろん、JAL・JCBカード プラチナ、ANA JCBカード プレミアムなどの提携会社があるカードも対象になります。
はっきりとカードを明示していないところをみると、まだ調整中のカードがあるのかもしれません。対象になりそうなカードをお持ちの方は直接コールセンターに問合せるのがいいと思います。
国内の食事施設やリフレッシュ施設などは対象外になりますが、海外のこれらの施設はこれまでどおり利用できるようで、この点、三菱UFJニコスとは取扱いが異なります。
開始時期も10月31日(木)8:00PM以降 ということで、三菱UFJニコスよりも猶予期間が1か月ほど長くなっています。でもどうして午後8時以降と刻んでいるのか?
驚きなのが、年会費が77,000円もする「ANA JCBカード プレミアム」も対象カードに含まれていることです。こうした高額カードも採算がとれないほど、プライオリティ・パスの利用が激増している証だと思います
利用制限の根拠とその背景
こうした利用制限は、プライオリティパス側が行うのではなく、カード会社が行うというのはどういうことなのか?
カード会社が利用制限を行うことができる根拠は、プライオリティパスの利用規約に記載されています。その記載は、次のとおりです。
利用方法:プログラムの利用資格証明として決済カードを使用しても課金取引は発生しません。決済カード発行会社または他の組織が提供する特典の条件に該当する場合には、その条件に従い、料金が後ほど決済カードに請求される場合があります。
規約では、カード会社が特典としてプライオリティパスの付与している場合は、カード会社が定める条件により利用料金が発生する場合を認めています。
その条件については、特段定めがないことから、カード会社に広く裁量が認められていると解されます。
なので、楽天のように年間の回数制限をしたり、今回のように、ラウンジ利用に限定したりすることも可能なようです。
どうして、プライオリティパスを運営してる会社ではなく、カード会社が利用回数や利用施設を制限するのか疑問に感じている人も多いかもしれません。
こうした人は、カード会社は、運営会社にプライオリティパスの年会費を支払って会員証を買って、それをカード会員に配布しているのだと思っているからだと思います。
一旦、会員証を購入してしまえば、それを使ってラウンジや食事施設で何回使おうが追加費用は発生しない、そう考えているはずです。
しかしこれは間違いで、実態は、カード会社は、運営会社に対して利用実績に応じてその費用を支払う契約になっています。詳細は、以前、プライオリティパスのビジネスモデルに関する記事を書きましたので、そちらをご覧ください。
コロナ後、日本国内では、関空のぼてぢゅうを皮切りに、成田、羽田、中部といった空港で制限区域外に食事や休憩施設などがどんどん増えてきました。そのため、国内旅行客、しかも出発時だけではなく、到着時も利用できるため、利用者が激増しています。
SNSを見ると、毎月1回、関空と成田を往復してプライオリティパスを使い倒すつわものもいるようです。
おそらく年会費2~3万円のカードでは、収支が大幅な赤字になっているものだと思われます。
今後の動向
楽天カードに続き、JCBと三菱UFJニコスが制限に動いたことで、恐らくこの流れは加速すると思います。
一昨年から昨年にかけて、クレカ付帯の海外旅行保険が、それまで自動付帯だったものが利用付帯に一気に改悪されたように、プライオリティパスの利用制限も進んでいくのは間違いなさそうです。
今後、三井住友カードやクレディセゾンなどがどう動くのか注目です。
まとめ
今回の記事は、いかがでしたでしょうか。
今回は、これまでのカード会社によるプライオリティ・パスの利用制限を整理するとともに、利用制限を行う背景や今後の動向などを考えてみました。
私自身は、JCBや三菱UFJニコスでプライオリティ・パス付帯カードを発行しているわけではないので、今回の件で直接影響があるわけではありませんが、とても残念です。
今回の発表を受け、他のカード各社も一斉に動き出す可能性が高いからです。
私は今年いっぱい、楽天プレミアムカードを利用した後は、楽天ゴールドカードにグレードダウンしたうえで、年会費永年無料のセゾンアメックスゴールドカードに11,000円を支払って、プライオリティ・パスを付帯してもらう予定でした。
しかし、雲行きが怪しくなってきたので、代替案も検討しておこうと思います。このことも次回以降のブログで書く予定です。
今回の記事がお役に立たのなら、うれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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