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こんばんわ。管理人のuncleゆーさん(@UncleYusan)です。
前回の海外ノマドワーカーの記事の中で、「住民票を抜いてしまうと、税金を支払う必要がない代わりに、国民健康保険や年金に加入することができなくなります」と書きました。
しかし、その後、年金については、そもそも継続加入しておく必要があるのかという疑問が沸々と湧いてきました。
そこで、今回の記事では、海外移住をしたら年金はどうなるか、あるいは、年金の継続加入は必要かについて考えてみたいと思います。
前回の記事は、こちらをご覧ください。
海外移住者が知っておくべき年金のポイント
海外移住者が知っておくべき年金に関するポイントは、次の5つです。
- 日本の年金は、基本60歳まで掛金を支払い、65歳からもらえる。
- 年金をもらうためには、最低10年間加入しなければならない。
- 住民票をはずすと年金の加入義務はなくなる。
- 住民票を海外に移しても、年金に任意で加入できる。
- 海外居住者も国民年金の任意加入者はiDeCoができるようになった。
最後の「海外居住者も国民年金の任意加入者はiDeCoができるようになった」のは、つい最近の2022年5月からです。
ただし、海外居住中は、掛金の所得控除を受ける事は出来ませんので本来のこの制度のメリットが生かせません。
あくまで、日本に戻った後に本来のメリットを受ける事ができます。
いずれ日本に戻り定年退職まで給与所得者として働くことを予定している人には、メリットのある制度だと言えます。
年金はいくらもらえるのか、保険料はいくら払うのか
国民年金は、日本人で日本在住者20歳以上60歳未満のすべての人が加入しなければならない年金制度です。
自営業・フリーランス、主婦(主夫)、サラリーマンなどが加入しています。
サラリーマンなど企業・団体等で働く人や公務員は、国民年金に加えて厚生年金に加入しています。
国民年金(老齢基礎年金)は、満額支給の場合、2022年現在で月額64,816円が支給されています。
当然のことならが、支給額は保険料が支払われなかった期間だけ減額されます。
保険料の全額を納付した人が原則どおり65歳から老齢基礎年金を受給する場合、年間受給額は約77万7,800円です。
仮に女性の平均寿命である87歳まで生きるとすると、22年間受給することになり、総額は次のようになります。
【国民年金の総支給額】
約77万7,800円×22年=約1,711万1,600円
一方、厚生年金の支給額は、給与額によって収める保険料が違ってくる関係で、年金支給額も個々ばらばらです。
そこで、日本年金機構が厚生年金の支給額の目安を示しているので、参考に上げますと、平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))が219,593円(夫婦2人分(奥さんは専業主婦)となっています。
もし独身の場合だと、154,777円(老齢基礎年金を含む)となります。
保険料の全額を納付した人が原則どおり65歳から厚生年金を受給する場合、年間受給額は約185万7,300円です。
【厚生年金の総支給額(平均的な収入の場合)】
約185万7,300円×22年=約4,086万1,100円
一方、収めるべき保険料ですが、国民年金の場合は、どんな人でも同額であり、一人月額16,590円です。
この金額を20歳から60歳までの40年間(480か月)全額納付すると、約800万円を払うことになります。
【国民年金保険料の総額】
1万6590円×480か月=796万3,200円
生年金の場合は、保険料も人によって違いますが、仮に先ほどの日本年金機構の例(月収(標準報酬月額)43.9万円で20歳から60歳まで働いた)で仮定して計算します。
厚生年金保険料の半額は会社が負担してくれるので、月収43.9万円の場合の厚生年金保険料自己負担額は月4万260円です。
厚生年金保険料の中には国民年金保険料分も含まれているため、この金額を負担するだけで国民年金保険料も全額払っていることになります。
20歳から60歳までの40年間(480か月)に支払う厚生年金保険料の総額は、次のとおりです。
【厚生年金保険料の総額】
40,260円×480か月=1,932万4,000円
年金は得か損か
先ほどの試算をもとに考えると、国民年金の場合ですと、約800万円を支払って、約1,700万円の年金を受け取ることになります。
約2.1倍になったわけです。
一見すると得していると思われるかもしれません。
しかし、これは必ずしも正しくはありません。
もし仮に国民年金の保険料1万6,590円を年4%で40年間で運用できたとすれば、約1.950万円ほどになります。
これをさらに61歳~65際までの5年間で4%で運用できたとすれば、約2,370万円になります。
この金額で65歳から87歳まで取り崩した(その間も4%で運用)としたら、月いくらもらえるか?
答えは、約13万5,000円です。
なんと国民年金の2倍以上の額となります。
年金保険料を支払うのが馬鹿らしくなるので、これ以上試算を行うのはやめますが、国民年金よりも保険料が多い厚生年金のほうが、この差はさらにさらに大きくなります。
ところで、この低金利時代に4%の運用など可能なのかということですが、日本の銀行に預けていればまったく無理です。
しかし、米国S&P500という株式指数の過去65年間の年平均利回りが約10%ですので、この米国S&P500に連動したETFを購入しておけば、十分達成は可能かと思います。
もちろん過去そうであったから未来も絶対にそうなるとは限りませんが、日本の年金を運用している「年金積立金管理運用独立行政法人」も米国株や米国株と連動性高い国内株を購入しているわけで、やっていることは基本的に同じです。
米国S&P500がだめなような状態なら、日本の年金運用も同様にだめだということになっているはずです。
米国S&P500の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
日本の年金保険料を支払い続けるべきか
大学を卒業してすぐに海外で生活し、日本に戻ってくるつもりはないという人なら、自分で資産運用することができるのなら、任意で日本の年金に加入し続ける必要性は全くなさそうです。
もし移住先の国に年金制度があり、加入する義務があれば、その国の年金制度に加入することになり、その保険料を支払わなければなりません。
大学卒業後、10年近く日本でサラリーマンをして、厚生年金に加入していたという人は、とりあえず年金の最低加入期間の10年をクリアするため、任意で加入し、保険料を払い続ければ、その間の保険料が無駄にならず、年金をもらえることができます。
将来日本に戻ってこようと考えている人でも、前述したようなリスクの低い方法で自分でしっかり資産運用を行い、老後資金を確保することができるのならば、海外移住期間中はよほどの理由がない限り日本の年金に任意加入して保険料を払い続ける理由はなさそうです。
まとめ
今回の記事は、いかがでしたでしょうか?
今回は、海外移住をしたら年金はどうなるか、あるいは、年金の継続加入は必要かについて考えてみました。
ほとんどの海外移住者にとっては、任意での年金加入は不要ではないかと書きましたが、これはあくまで海外移住者についてです。
日本在住者は年金への加入は義務であり、保険料の未納は原則認められません。
保険と思うと、リターンが支払った保険料に見合っていないように思ってしまいがちですが、これを税の一部だとみれは、あきらめもつきます。
税金と同様、年金保険料については、日本のすばらしいインフラや世界に誇れる安全な社会の中で生活させてもらえることの対価だと考え、実際、これらの効用をお金に換算することができれば、決して高い買い物ではないのかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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