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こんばんわ。管理人のuncleゆーさん(@UncleYusan)です。
Interactive brokers(IB)は、世界33カ国の株式、ETF、先物、オプション、債券、金利、23種の外国為替、CFDを単一口座から取引ができ、Barron’sが選ぶベストオンラインブローカーに10年連続で選出された世界有数の米国証券会社です。
成行注文、指値注文以外にも様々な方法で注文を発注することができます。
その数、なんと69種類。
IBでは、これらの注文方法のことを「注文タイプ」と呼んでいます。
そこで、今回の記事では、このIBの注文タイプについて解説します。
IBの詳細については、こちらの記事をご覧ください。
注文タイプの概要
69の注文タイプがありますが、モバイルアプリ"IBKR Mobile"の「ナビゲーション・メニュー」から使うことできるのは、8つの「基本注文タイプ」と9つの「アルゴリズムを使用した注文タイプ」の計17の注文タイプです。
それ以外52種類の注文タイプについても、アプリのIBotの機能を利用すれば、使うことが可能です。
モバイルアプリ"IBKR Mobile"については、こちらの記事をご覧ください。
「基本」
- 成行
- 指値
- ストップ
- ストップ・リミット
- Market if Touched(MIT)
- Limit if Touched(LIT)
- Trailing Stop
- Trailing Limit
- Relative
「アルゴリズム」
- Adaptive
- Arrival Price
- Close Price
- Dark Ice
- Percentage of Volume
- Price Variant Percentage of Volume
- Size Variant Percentage of Volume:
- TWAP
- Time Variant Percentage of Volume
- VWAP
知っておくべき注文タイプ
SBI証券や楽天証券が5~6種類に対して、IBは69種類の注文タイプ。
数に圧倒されてしまいますが、普通の個人投資家にとっては、それらのほとんどは利用する必要はありません。
普通の個人投資家は、よく利用される、次の6つの注文タイプだけを覚えておけばよいはずです。
- 成行
- 指値
- ストップ
- ストップ・リミット
- Trailing Stop
- Trailing Limit
この6つの注文タイプについて、以下詳しく説明します。
成行注文
一般には、成行注文は最も基本となる注文タイプです。
この注文は、現在の市場価格で売買するだけです。
できるだけ早く売買したいときに成行注文を使用します。
日本の株式市場の発注方法としては、ごく普通に利用されている成行注文ですが、IBはこの成行注文での発注を推奨していません。
米国市場では、取引が閑散としている時間帯に罠を仕掛ける業者が多くて、想定していたよりもかなりの高額で買ったり、逆に低額で売る羽目になったりするからです。
例えば、bid=9.00 ask=10.00となっている株があった場合、これをみて成り行き注文する人は、10.00で購入できる、あるいは悪くても10.10くらいでできるだろうと思うはずです。
ところが、罠を仕掛ける業者がいて、注文した瞬間にask=10.00の気配を一斉に消して、11.00、12.00などで約定させてしまうのです。
取引量の多い銘柄を取引時間中に発注する場合はまだしも、取引量が少ない銘柄や時間外取引に発注する際は、成行注文はやめておきべきです。
指値注文
指値注文は、売買したい金額を定めて行う注文です。
50ドルの「買い」の指値注文がある場合、だれかが50ドル以下で売ると、注文は約定されます。
一方、100ドルの「売り」の指値注文がある場合、だれかが100ドル以上で買うと、注文は約定されます。
指値注文は、指値を超えて買ったり、指値を下回って売ったりしないことを保証するものです。
自分かが想定してる価格で売買できるので、安全性が高い注文タイプと言えます。
ただし、設定価格を現在の市場価格と大きく差があると、約定できない可能性があるので、注意が必要です。
ストップ注文
ストップ注文は、特定の価格に達したら「成行注文を発注する」という注文です。
「売り」のストップ注文の設定価格は常に市場価格を下回るようにしましょう。
間違って、市場価格を上回ると、即その価格で約定してしまいます。
ストップ注文を入れることで、購入した株の価格が事前に決めた損切ラインに価格が下がった場合に売却することで損失を制限することができます。
たとえば、100ドルで「売り」のストップ注文を使用する場合、株価が100ドルに下がると、「成行注文」が市場に出されます。つまり、100ドルに達するとすぐに株は売却されます。
一方、「買い」のストップ注文の設定価格は、市場価格を上回るようにします。
「買い」のストップ注文は、「売り」のストップ注文ほどは使用されません。
どういう場合にこれを使うか?
直近の高値を上抜けるなど、買いシグナルが出たタイミングで株を買いたいというときに、この注文を行います。
原理は同じです。50ドルで買い注文を使用する場合、価格が50ドルに上がるとすぐに、「成行注文」が出され、約定となります。
値動きが非常に速く動いている場合、約定価格は設定価格と大きく乖離してしまう場合があるので、注意する必要があります。
そうした場合は、次のストップ・リミット注文で発注するのがよいかもしれません。
ストップ・リミット注文
ストップ注文を理解していれば、ストップ・リミット注文を理解するのは簡単です。
繰り返しますが、ストップ注文自体は、「買い」や「売り」の注文ではありません。
あくまで、特定の価格に達したら、「注文を発注する」という注文です。
ストップ・リミット注文とストップ注文との唯一の違いは、「成行注文」ではなく「指値注文」を発注することです。
ストップ注文の場合、設定価格に達すると、かならす注文は約定されます。
この場合、約定価格は必ずしも設定価格とは限りません。
しかし、ストップ・リミット注文の場合、設定価格に達して、注文が行われても、その注文が指値注文であるため、約定できる保証はありません。
たとえば、価格が100米ドルを下回った場合に株を売りたいが、99.50未満では売りたくないとします。
そのような場合、99.50の下限をつけてストップ指値注文を行うことができます。
指値注文が約定される前に市場が99.50を下回った場合、成約は行われません。
それにより望む価格より低く売られることを防げます。
一方で、売れなかった後、さらに値下がりし、損失を拡大してしまうかもしれません。
Trailing Stop注文
Trailing Stop注文は、理解するのが多少複雑ですが、証券会社のディーラーのようにコンピュータの板情報と終日にらめっこできない、個人投資家にとって最も強力な注文タイプと言えます。
Trailingとは、「追尾する」という意味です。
逆指値注文を設定しつつ、株価が自分にとって有利な方向に動いた場合は逆指値価格を自動で修正する注文です。
損失を限定しつつ、利益の拡大を狙うことができます。
逆指値の設定価格を一定の金額またはパーセンテージで自動修正できます。
Trailing 効果は、売り注文の価格が上昇し、買い注文の価格が下がるときにあらわれます。
最も一般的な使用法は、売り注文の時です。
「売り」のTrailing Stop注文を使って、ロングポジションのリターンを確保できます。
Trailing Stop注文の設定価格を現在の市場価格より低く設定する必要があります。
もし株価が上がれば、設定価格は株価とともに上昇はしますが、下降はしません。
たとえば、IBRKの株式を30米ドルで購入したとします。
それらは、現在の市場価格が40米ドルだとします。
35米ドルを下回った場合に売りたいと考えています。
「売り」のTrailing Stop注文を指値設定価格を35米ドルに設定し、トレーリング金額(値幅額)を5米ドルにして発注します。
市場価格が42米ドルに上昇すると、設定価格は37米ドルに上昇します。
市場価格が38米ドルに下がった場合、設定価格は37米ドルのままになります。
現在、価格が回復して50米ドルに達すると、設定価格は45米ドルになります。
市場価格が45米ドルを下回ると、成行注文を発注し、これにより株式が市場価格で売られ、成約します。
ショートポジションを持っているときにも使用することができます
たとえば、株が下落局面にあるが、市場が再び上昇した時に売りたいという場合です。
仮に、IBRKの株式を50米ドルで売却し、ショートポジションを持ったとします。
現在は40米ドルで、再び45米ドルに達した場合にカバー(ポジションを解消)したいと考えていたとします。
指値設定価格を45米ドルに、トレーリング金額5米ドルに設定したとします。
市場価格が36米ドルに下がると、設定価格も41米ドルになります。
市場価格が40米ドルまで上昇した場合、設定価格は41米ドルのままになります。
市場価格が30米ドルに下がると、設定価格も35米ドルに下がります。
これで、市場価格が35米ドルに戻ると、市場価格で株式を購入することになります。
Trailing Limit注文
Traling Limit 注文というものもあります。
これとTrailing Stop注文との違いは、ストップ注文とストップ・リミット注文の場合と同じです。
設定価格に達したら、「成行注文」を発注する代わりに、「指値注文」を発注することになります。
したがって、設定価格に到達したら、発注されますが、必ず約定されるとはかぎりません。
約定したばあいは、設定額どおりの金額で取引することができます。
まとめ
今回の記事は、いかがでしたでしょうか?
金融商品の取引で成功するためには、いかに安値で買ったものを高値で売るか(空売りの場合は逆)ということと、いかにリスク管理を行うかということが極めて重要になります。
これらを個人投資家が実行するためには、今回紹介した、ストップ注文やTrailing注文などの注文タイプは欠かせません。
こうした注文タイプを数多く提供しているIBのプラットフォームは他の証券会社と比べて非常に優秀であることは間違いありません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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